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GCCの安全保障- イラン・イラク戦争から湾岸戦争を越えて、地域が目指す先は? - |
実際に、アメリカによる軍事行動は、当面は起こらず、外交ルートの交渉が続くとみられている。 しかし、イラクがもしアメリカが交戦状態に入ったとしても、国連制裁が長く続いたイラクには大規模軍隊を移動させる経済的余裕は、ないのではないか?となると考えられるのは、ミサイルによる攻撃だが、この場合サウジアラビアをはじめとする、GCC諸国内のアメリカの施設がねらわれる可能性がないとはいえない。しかし、イラクがここまでの攻撃を仕掛けてくることはないと私は予想している。 また、ペルシャ湾上には、空母ニミッツがあり、航空機での攻撃がもし行われるにしても、自由に使えるこの空母の艦載機で行われる可能性が高い。そのため、サウジアラビアなどの陸上基地が使われる可能性は、低いといえるだろう。 また、今回のアメリカの一連の動きに対して、GCC諸国は、積極的を表明していない。 GCC諸国がかかえている、共通不安定要因は、財政赤字、それも、湾岸戦争によってさらに大きくなったものである。 また、各国とも主たる産業が石油以外にない状態で、外国人労働所と自国民の雇用問題を抱えている。これが、最近の反政府運動につながっていると見てよい。(もちろん多国籍軍を駐留させた、シーア・スンニーの宗教的対立も一つの要因である。) 財政赤字に関してのみ言えば、石油価格が最近堅調に推移していることが好材料に上げられるが、歳入構造の多角化、民間企業の育成、財政の赤字体質の改善など、抜本的な問題はそのままであると言っていい。
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GCC諸国において、歳入構造多角化の鍵は、税制が握っている。現在のGCC諸国の税制は、GCC諸国よって異なるが、全体的な特徴として、 イスラーム法とのかねあいで、個人に課税しにくいので、企業のターゲットに課税する動きが高まっているが、実際、民間企業はあまり育っていない。 一般の評価としては、湾岸戦争後の軍備拡張がひと段落した段階で、石油価格も堅調なことから、赤字財政は最悪の時期を通りすごしたという観測もあるが、これは、これから石油価格が堅調に進むことを元にしており、湾岸戦争と長期の赤字体質で、海外資産も目減りしており、楽観するのには早すぎる状態であると予測される。 特にサウジアラビアは、国内の不満は高まっている。これは、人口急増に伴う社会構造変化に直面しており、石油収入にも限界がある中で、若年層を主体とした失業問題が深刻かしており、これが、イスラーム系反政府組織が支持を集める元ともなっている。また、サウジアラビアは、財政赤字の中、景気維持のためにインフラ投資を継続的に行ってきたされているが、最近の人口急増でこうしたものも足りなくなってきている、という報道もある。 また、クウェートでは、湾岸戦争以後の民主化要求が激しくなっており、情報公開が進められたため、王政の失政が明らかになり、これについても非難が集まっている。 このように、GCC諸国には、かつての豊の産油国の面影は全くない。域内の反政府勢力も大きくなりつつあり、そのための対策費がまた財政を悪化させかねない。GCC諸国の国内での舵取りは難しくなっている。 |
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